どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
今回はクリストファー・ノーラン監督のこだわりの撮影方法について取り上げます。
ノーラン監督と言えば、時間や空間をテーマにした難解な作品を数多く手掛けていることで有名。
SF的な題材を多く扱うので、さぞかし最新のVFXを多用した映像ばかりと思いきや、監督は「CG嫌い」と噂されるほどに実写での撮影にこだわるタイプ。
本記事では、実写での映像作りにこだわるあまり、驚くような撮影方法を採用することになった作品たちを取り上げていきます。
それでは、いきましょう。
Contents
病院まるごと爆破しました!:『ダークナイト』
©2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
まず紹介するのは、『ダークナイト』。ダークで重厚な世界観でバットマンを再定義した人気シリーズの2作目。
取り上げるのは、重傷を負ったハービー・デントが収容されていた病院の爆破シーン。
ジョーカーはハービーの心を抉ることで、彼を悪の道に落とそうとしました。彼の心が悪に染まったところで、彼の失踪を手助けするかのように病院を丸ごと爆破してしまいます。
巨大な建物が丸ごと崩れていく迫力あるシーンですが、なんとこのシーンはCGを一切使わず本当に病院を爆破してしまったんです。
なんとも豪快ですよねw
ダークナイトでは、バットマンの乗るバットモービルなども特殊なフォルムをしているのにも関わらず、実際に走行可能という力の入れよう。
部屋ごと回せば解決!:『インセプション』
(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
続いて紹介するのは、アカデミー賞4部門を獲得した『インセプション』から。
他人の夢の世界に入り込んで記憶を盗み取るという斬新なアイデアと、イマジネーション溢れる夢の世界の描写が魅力的な本作。
非現実世界を描く作品なので、さぞやCGを沢山使っているかと思いきやとんでもない方法で非現実世界を撮影していました。
主人公のコブと相棒のアーサーが入り込んだ夢の世界で、ふたりは重力を無視したかのように壁から壁へ移動していきます。こんなのどうやって撮影したんだろうと思いますが、そこはノーラン監督。見たまんま撮影していました。
コブたちが壁から天井とグルグル動いているように見せて、実際はホテルの廊下のセットを丸ごと回転させて、その中を這っていたのです。
そんなアイデア、思いついても普通はやらないだろうということをやってしまうのがノーラン監督の凄いところ。
コーン畑がなければ、作ればいいじゃない:『インターステラー』
© 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
3つ目に取り上げるのは、本格SF映画『インターステラー』から。
近未来、地球が荒廃して世界的な食糧難が起きる中、人類が移住可能な星を探すという物語。
本格SFな世界観の本作、さすがに今回はCGを相当使うだろうと思っていたら、ノーラン監督の実写へのこだわりはすさまじいものでした。
冒頭、地球のシーン、主人公のジョセフが広大なコーン畑をトラクターで疾走します。
こんな広大なコーン畑なんてそこにあるんだろうと思っていたら、なんと、この映画のために種から500エーカー(東京ドーム43個分)ものコーン畑を育ててしまったのです。
とんでもないスケールに恐れ入ります…。
え!?四次元空間を実写で再現!?:『インターステラー』
© 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
続いても『インターステラー』から。
終盤、ブラックホールに飲み込まれてしまったジョセフは、4次元空間に閉じ込められてしまいます。そこからなんとかメッセージを伝えようと、時間と空間を越えて父と娘が交流する感動的なシーン。
SFの極みのような設定のシーンでさえ、ノーラン監督は実写での撮影にこだわりました。
いくつもの空間が層になって折り重なり、まるでミルフィーユのようになっている四次元空間。
まさかのセットでした!
© 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
層になって引き延ばされたような四次元空間をセットで、うまく再現しています。
人知の及ばない四次元空間ですら実写で再現してしまう…。ノーラン監督をあなどってはいけない。
お得だからジャンボジェット機を爆破!?:『TENET テネット』
最後は、今年公開予定の最新作『TENET テネット』から。
第三次世界大戦を防ぐため、「テネット」と呼ばれる時間にまつわる特殊能力を駆使する本格スパイアクション作。
公開された予告映像の最後(2:40ごろ)、まだ詳細は分かりませんが、ジャンボジェット機が火柱を上げながら建物に突っ込んでいくシーン。
ここまで、読んでくれた方ならお気づきでしょうが、このシーン完全実写です。
なんと、このシーンを撮影するためだけにジャンボジェット機を一機買ったという。
理由が、CGで作るよりも安上がりだったからとインタビューで語っています。
本当は実写で撮りたかっただけなのでは…?
▼こちらの記事で内容考察してます▼
おわりに
今回はクリストファー・ノーラン監督の作品から、監督の実写撮影への並々ならぬこだわりが見えるシーンを紹介しました。
監督の実写へのこだわりは、このCG全盛の時代、役者はグリーンバックの前で芝居をすることが多い中、実写でしか感じられないリアリティからくる演技を引き出すためなんだと思います。
このこだわりを知るとあらためて監督作を観返したくなりますよね。
それでは、また次の作品でお会いしましょう。