どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
今回は映画『ハリーポッター』シリーズの監督について紹介したいと思います。
『ハリーポッター』シリーズは歴代で8作品あり、10年間に渡って製作された壮大なシリーズです。
実はすべてのシリーズ作品を一人の監督で作っているわけではないんです。各作品の雰囲気や製作の都合で何度か監督が変わったんです。
本記事では、歴代監督の作風と各シリーズ作品の持つ雰囲気を交えて解説していきます。
それでは、いきましょう。
Contents
歴代監督は何人?:4人の監督がハリーポッターを作り上げた
映画『ハリーポッター』シリーズは歴代で4人の監督がいます。
監督した順番に、
- クリス・コロンバス
- アルフォンソ・キュアロン
- マイク・ニューウェル
- デイビット・イェーツ
『ハリーポッター』は作品ごとの雰囲気に合わせて監督が交代しながら、プロデューサーのデイビッド・ハイマンの指揮のもと作り上げられたシリーズなんです。
それでは、各監督の作風を、担当した作品の雰囲気と合わせて見ていきましょう。
クリス・コロンバス:キッズムービーの名手
https://www.cinematoday.jp/news/N0076342
クリス・コロンバス監督が担当したのは、『ハリーポッターと賢者の石』、『ハリーポッターと秘密の部屋』の初期2作品。
主要キャラクターを演じる子役たちはオーディションで選ばれましたが、ほとんど演技経験のない子たちばかりでした。すでに原作は世界的なベストセラーになっており、注目度は抜群。
クリス・コロンバス監督の特長は、「こどもの魅力を引き出す」「コメディのセンス」です。監督作品『ホームアローン』シリーズはまさにそれが当てはまります。
シリーズの初期2作品は、ハリーたちが11歳からの2年間を描いており、キャラクターたちはまだまだ幼く、初めて見る魔法の世界にワクワクし、ときには戸惑ったり。そんな作品のもつ雰囲気を大切にしながら、監督は見事に楽しくてワクワクする少年少女の夢と冒険のストーリーを作り上げてくれました。
観客の我々も、登場人物たちと同じように不思議な魔法に驚き、感動し、夢のような魔法世界に誘われていきました。
そしてなにより、テレビドラマで子役として出演していたダニエル・ラドクリフを見つけ出してオーディションを受けさせた功績は計り知れません。
アルフォンソ・キュアロン:芸術的な映像の作り手
https://www.cinematoday.jp/news/N0104126
アルフォンソ・キュアロン監督が担当したのはシリーズ3作目『ハリーポッターとアズカバンの囚人』です。
前2作とかわってグッとシリアスな雰囲気を帯びてくる3作目。映像の演出もストイックになり、シリーズの空気が変わったことを映像面からバシバシと感じさせてくれました。
また、本作はハリーの親友ハーマイオニーが活躍する物語。持前の知恵と勇気をもって、苦境を力強く打ち破る姿が印象的です。
アルフォンソ・キュアロン監督作を眺めると、一貫して「女性の強さ」を描いているのが見えてきます。
アメリカでの初監督作『リトル・プリンセス』では、戦時下に寄宿学校に預けられた少女がたくましく生き抜いていく姿を描いています。『アズカバン~』後の作品『ゼロ・グラビティ』でも、絶望的な状況に立ち向かう女性を主人公に据えていました。
仲間に守られる存在ではなく、ともに肩を並べて勇敢に立ち向かうハーマイオニーを描くにはぴったりの監督でした。
実は「アズカバンの囚人」で監督を交代にするにあたって、何人も候補がいました。なかにはスティーブン・スピルバーグの名前も挙がっていた。
紆余曲折ありキュアロンに決定したのですが、監督決定直後は「ハリーポッター」の映画シリーズを観たことがなければ、原作を読んだこともなかったとか。
たまたま連絡した盟友のギレルモ・デル・トロに監督就任の話を出したところ、「今すぐ原作読んで来い!読み終わったら自分のところに連絡しろ」と結構な感じで言われたよう。
原作読破後は、すっかりハリーポッターの素晴らしさに気づき、原作へのリスペクトに溢れた作品作りをしてくれました。「アズカバンの囚人」がシリーズの中でもファン人気の高い作品になった要因ですね。
マイク・ニューウェル:クライムから恋愛映画まで変幻自在の英国監督
https://www.cinematoday.jp/news/N0059915
3人目の監督マイク・ニューウェルはシリーズ初の英国人の監督です。担当したのはシリーズ4作目にあたる『ハリーポッターと炎のゴブレット』。
本作はシリーズでも屈指の難作品でした。登場人物がグッと増え、ド派手な魔法合戦に、ハリーたちの初めての恋物語、そして宿敵ヴォルデモート卿との邂逅と、描かなければいけない要素が盛り沢山。
監督作品からわかるように、ヒューマンドラマから、クライムものまで幅広いジャンルを手掛けてきたマイク・ニューウェルは複雑な要素が絡む本作にはうってつけでした。
さらに本作では、他校の生徒が登場することでホグワーツと他校の違いが強調されます。英国寄宿学校ならではの伝統行事やセレモニーの雰囲気や生徒たちの日常のやりとりなどがしっかりと描かれました。
監督自身が英国寄宿学校で学んだ経験が存分に活かされています。
デヴィッド・イェーツ:TVドラマ界から一躍、世界的な監督へ
https://www.cinematoday.jp/news/N0033610
4人目の監督デヴィッド・イェーツは『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』以降のすべてを監督することになりました。監督作は『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』『ハリーポッターと謎のプリンス』『ハリーポッターと死の秘宝PART1』『ハリーポッターと死の秘宝PART2』の4作品。
さらには、本編の70年前を描くスピンオフ『ファンタスティックビースト』シリーズ5作品の監督を務めることも決定しています。
シリーズ5作目の「不死鳥の騎士団」以降に顕著になるのは、ホグワーツ以外の魔法界全体の描写です。宿敵ヴォルデモート卿が復活したことで、魔法界全体が混乱していきます。それを束ねる大人たちの政治的駆け引きが色濃く描かれていきます。
『ハリーポッター』シリーズに参加するまで、デヴィッド・イェーツ監督は主にTVドラマで活躍してきました。大人たちが繰り広げる政治的な駆け引きをエンターテイメントに昇華させるのに長けた人物です。
TVドラマはシーズンを重ねるごとに登場人物の数も多くなり、その関係性もどんどん複雑になっていく傾向にあります。それを上手くさばくのがTVドラマ監督の腕の見せ所でしょう。
その点が、長編監督作品が1本しかないにもかかわらず、シリーズを締めくくる監督として起用された理由だと思われます。
まとめ:名監督のバトンリレーによって完成したハリーポッター
今回は『ハリーポッター』シリーズの歴代の監督を、監督の作家性と各作品の雰囲気を交えて紹介しました。
長きにわたるシリーズ、作品ごとに違った味わいがあります。そのたびにそれぞれの監督が作品の魅力を見事に引き出してくれたからこそ、『ハリーポッター』は傑作として世に出たのです。
監督たちの見事なバトンリレーによって作り上げられてシリーズでした。
それでは。
アナタもハリーポッターの世界に飛び込もう!