どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
今回はガンアクション映画『ガンズ・アキンボ』のレビューをしていきます。
ハリーポッターシリーズの主人公ハリー役でお馴染みのダニエル・ラドクリフが主演した作品。
ハリポタ以降、エッジの効いた作品・キャラクターを好んで演じてきたダニエルが今回演じたのは両手に拳銃を括り付けられデスゲームへ強制参加させられた哀れな男です。
はたして、彼の命運はいかに…
現代のネット社会を過激に皮肉りながら、刺激的なガンアクションで魅せる。なかなかセンスが光る作品です。
銃弾の嵐、血しぶき、不謹慎なギャグ、こういうのが好きな人には絶対オススメ(笑)
それでは、いきましょう。
本記事は本編のネタバレを含むので、ネタバレ苦手な方はご注意ください。
Contents
あらすじ
底辺ゲーム会社でプログラマーをしているマイルズ。彼の唯一の趣味はネット上のあらゆる書き込みに”クソリプ”して日々の鬱憤を晴らすこと。
ある日、本物の殺し合いをネット中継する裏サイト『スキズム』でクソリプを連投していると、スキズムの運営から目をつけられてしまう。自宅を襲撃されて、目を覚ますと、両手に拳銃がボルトで固定されていた!
しかも、”24時間以内に最強の殺し屋ニックスを殺さないと”、命はないという。おまけに元カノのノヴァまで運営に人質に取られてしまい、絶体絶命。
はたしてマイルズはこの無理ゲーを脱することはできるのか…
アキンボの意味
アキンボとは、二丁拳銃のこと。
元々は、両肘を張って両手を腰に当てる姿を指す言葉でしたが、西部劇のガンマンが二丁拳銃を構える姿に似ていたことから、アキンボ=二丁拳銃という意味になりました。
キャスト
マイルズ:ダニエル・ラドクリフ
(C)2019 Supernix UG (haftungsbeschrankt). All rights reserved.
スマホゲーム会社で窓際プログラマーをやっているマイルズ。
彼女にも振られ、日々の鬱憤を晴らすためにネットで全方位に”クソリプ”を飛ばすことに精を出している。デスゲーム配信”スキズム”を荒らしたことで、運営に目を付けられデスゲームに強制参加させられてしまう。
演じたのは、ハリーポッター役で一躍有名になったダニエル・ラドクリフ。
ハリポタ以後、癖の強い役柄を好んで演じている。舞台でも活躍しており、ブロードウェイミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』では主演を務め、見事なダンスと歌を披露した。
近年の出演作として、『スイス・アーミー・マン』メニー役、『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』ウォルター・メイブリー役、『プリズン・エスケープ』ティム・ジェンキン役などがある。
ニックス:サマラ・ウィーヴィング
(C)2019 Supernix UG (haftungsbeschrankt). All rights reserved.
マイルズとデスゲームを繰り広げることになる最凶の殺し屋ニックス。
巧みに銃火器を使いこなし、男どもハチの巣にする姿は痛快。”ここぞ”というときはドラックを決めて気合いを入れるイカレた奴。
演じたのは、サマラ・ウィーヴィング。
ドラマ『Out of the Blue』で役者としてのキャリアをスタート。オーストラリアのソープオペラ『ホーム・アンド・アウェー』でメインキャストを演じて注目される。
その後、Netflixオリジナル『ザ・ベビーシッター』で悪魔崇拝者のベビーシッターのビー役や『レディ・オア』で殺人ゲームに興じる家に嫁いだ花嫁グレース役を演じてブレイク。
今後の活躍が期待される役者のひとりである。
『ガンズ・アキンボ』感想・レビュー
(C)2019 Supernix UG (haftungsbeschrankt). All rights reserved.
この作品の登場人物は倫理観狂ってるよねww(とくにスキズムの視聴者)
まず、設定からしてぶっ飛んでおります。
ネット全盛期の現代、刺激を求めた人々はついに”本物の”殺し合いによる刺激を求めるまでになっていた。
裏サイトで配信される『スキズム』では、参加者は「ファイター」と呼ばれ、指定されたフィールドでマッチングした対戦相手をぶっ殺せば勝利というシンプルでイカレた設定。廃工場、真夜中のカーチェイス、ダウンタウンと試合場所は様々。
試合の様子は、ドローンカメラでしっかりとライブ中継。もちろん、殺人の瞬間もモザイクなしで配信される。もちろん、完全なる違法な興業なのだが、以外にも支持者が多くて組織の力もあって、警察も手をこまねいている。
そんな完全にヤバい組織に、ちょっかいをかけてしまったのが、しがないオタクプログラマーのマイルズ。
うだつが上がらず彼女とはしょうもない喧嘩で疎遠に、憧れのゲーム会社へ就職できたと思ったら、作らされるのはしょもない課金のスマホゲー、さらには脳筋上司からいじめられる日々。そんな、彼の憂さ晴らしはネットでの”クソリプ”。いかに相手を怒らせるか・イライラさせるリプを送れるかに心血を注いでいた。
偶然見つけた殺人ゲーム配信の『スキズム』でもクレイジーだと視聴者も運営までクソミソにします。
しかし、その行為が運営の逆鱗に触れ、あっさりIPアドレスをたどられ自宅特定。武装したギャングに襲撃されてしまう。そして、目が覚めたら両手に拳銃をボルトで固定されていたという始末。
両手に拳銃という設定だけでわりと勝利してた
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この、両手に拳銃をボルトで固定されてしまったという設定は、出オチかと思いきや全編にわたってしっかりと活かされています。
二丁拳銃のガンアクションと言えば、『リベリオン』や『ハードコア』、『バイオハザード』のアリスもよく使っていましたよね。いずれもスタイリッシュでカッコイイアクションを見せてくれましたが、本作は違います。
ただ二丁拳銃を持っているだけではなく、両手にしっかり固定されていて、外すことが出来ない。
序盤は両手拳銃に慣れないマイルズの情けない姿を見守るシュールな展開に。
両手が拳銃だから、スマホも握れないし、ドアノブすら回せない、スボンも履けないから、パンツ一丁にナイトガウンで逃げ回る羽目に。
ダニエルの絶妙な情けなくてイライラしている演技も相まって、かなり笑えるシーンに仕上がっていました。
これらのシーンは監督自ら両手におもちゃの水鉄砲を括り付けて生活してみたという実体験に基づいて製作されました。なので、こちらも”ああ、確かにそうなるよなぁ”と思うリアリティ満載。
映像面での見せ方も現代的。でもちょっと酔う
映像面での見せ方。画作りも現代的なギミック満載で観客に飽き・慣れさせない工夫が凝らされていました。
とになくカメラワークが動く動く。
素早いカット割りに、独特の捻じれるようなカメラワークに、刺激的なBGMも相まって、バトルシーンのライド感がすんごい。
さらには、ドローンによる空撮、アクションカムによる手元からのショットなど落ち着いたカットの少ないこと。
ガンアクションも見せ方でまだまだ個性出せるんだなと思わせてくれました。
テンプレ的キャラと思いきや意外な一面も
メインキャラクターであるマイルズとニックス、ふたりのキャラクターの良さも本作の大きな魅力でした。
何度も触れているクソリプ野郎のマイルズですが、作中では意外な一面もありました。拳銃状態で追ってから逃れたさきで、ホームレスのグレジャミンに出会います。
何も食べられていなかったマイルズは彼に食べ物をねだりま、彼が提供したのが〇か月前に拾ったソーセージ。しかし、マイルズはソーセージをいったん拒否します。
彼は実はベジタリアンなんですね。世界の食料問題を気にかけてベジタリアンを貫いていたのでした。
おい、マイルズ他人のこと気に掛けること出来るのかよ。と思わずツッコミをいれたく場面ですが、いつもスマホばかり覗いて、他人を観ようとしないマイルズも世界の問題に心傷めることあるなんて意外でした。
一方で殺人マシーンなニックスも、ただのサイコパスなだけの殺し屋というわけではありませんでした。
マイルズの情報を探りに警察署へバレバレのコスプレで侵入した場面(なぜか全くバレない)。チャーミングな付けヒゲの遊び心がナイス。
首尾よくマイルズの情報にたどり着いたところで、マイルズが犯罪歴なしの全くの一般人と分かり、ニックスが結構動揺します。結構意外だったのが、ちゃんと殺すかどうかの線引きあるんだというところ。まあ、結局彼女もスキズムでかつ必要があるので殺意満載でマイルズを追い回すんですが。
随所に名作映画のオマージュ・パロディが見え隠れ
(C)2019 Supernix UG (haftungsbeschrankt). All rights reserved.
映画好きならニヤニヤできるポイントも結構盛り込まれていました。とくに1980年代アクション映画へのオマージュが満載でした。マイルズのオタク部屋にランボーやコマンドーのポスターが貼られているところからもわかりますよね。
まず、マイルズの二丁拳銃にナイトガウン姿は、『男たちの挽歌』でマークがロングコートに二丁拳銃で敵をなぎ倒す姿へのオマージュ。
ニックスがマシンガンをぶっ放す姿は、ターミネーター2を彷彿とさせるし、終盤に金づちを天に掲げて起き上がる姿はマイティ・ソーそのものでしたね。
ニックスがドラッグをキメるとパワーアップするのは、『デッド・プール』や『ハーレイ・クイン』を彷彿とさせます。
あと、ここは確証ないですが、ハリーポッターのオマージュと思われるシーンもありました。ラストバトルでマイルズが肩を打たれて、派手に吹き飛ばされ、空中で回転しながら倒れるシーン。ここは、『ハリーポッターと秘密の部屋』でハリーとマルフォイが決闘した場面で、マルフォイの呪文を受けて吹き飛ばされたハリーの姿そっくりでした。
おわりに
今回はガンアクション映画『ガンズ・アキンボ』をネタバレありでレビューしました。
疾走感がすさまじく、観客に飽きる暇を与えないスピーディーでぶっ飛んだ展開の数々が楽しめました。
全くの容赦なくバイオレンスと下ネタが入ってくるので苦手な方はご注意を。
今回も手加減なしの体当たり演技をしているダニエル君が見れてはりーは大満足でした。
というわけで、以上です。
また次の作品でお会いしましょう。