どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
今回は映画界の大きなムーブメントを巻き起こしている『シェアード・ワールド』について紹介します。
複数の映画で世界観を共有して、単体の作品だけでは描き切れない壮大なストーリーを表現する試み。
一番有名なのは、『MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)』ですね。
本記事ではシェアード・ワールドの魅力とオススメのユニバースを紹介していきます。
それでは、いきましょう。
Contents
シェアード・ワールドとは?
シェアード・ワールドとは、小説や映画において複数の作者によって物語や世界観、登場人物を共有して創作される作品群のこと。シェアード・ユニバースとも言われる。
小説における有名どころでは『クトゥルフ神話』、『ロードス島戦記』などがある。
設定やキャラクターが同じでも異なる世界線で描かれるパラレルワールドとは異なり、同一の歴史上で作品が展開されるので、大きな歴史年表に記録することが出来る。
参照:Wikipedia「シェアード・ワールド」
シェアード・ワールドの魅力
ここから私が考える映画におけるシェアード・ワールドの魅力について3点挙げます。
単体作品では描けない世界観が描ける
映画は2時間程度の上映時間です。主人公を中心にストーリーを展開していった場合、2時間ではどうしても描写できる内容に限界があります。
壮大な世界設定や歴史年表を作りこんだ作品であっても、描写できるのは主人公にまつわる展開に限定されます。
その点、シェアード・ワールドでは複数の作品で同一の世界観を共有しているので、”ある作品で描かれた出来事は、別のある作品で起こる事件に影響を与えていた”といったように、単体の作品を越えて世界観の広がりを表現することが出来ます。
作品ごとにジャンル・テイストを変えられる
映画にはアクション・サスペンス・コメディといった作品の雰囲気を表すジャンルがあります。普通、ひとつの作品は1ジャンルもしくは2ジャンル程度に分類されます。
一方でシェアード・ワールドに属する作品群では、同じ世界観の中で、お話の中心人物や時代設定・場所を変えることで全く別ジャンルの作品を成立させることが出来ます。
MCUを例に挙げると、
- アイアンマン:現代・ハイテク・アクション
- キャプテンアメリカ:第二次大戦中・ミリタリー・アクション
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:現代・宇宙・コメディ
壮大なアベンジャーズという器の中で、様々なジャンル・テイストの作品を作り上げていることがわかります。
クロスオーバー作品のお祭り感
シェアード・ワールドの最大の魅力と言っても過言ではないのが、クロスオーバー作品です。
それぞれ単体として成立していた作品群に登場するキャラクターたちが一堂に会するクロスオーバー作品はまさにお祭りのような盛り上がりを見せます。
クロスオーバーだからこそのキャラクター同士の掛け合いや、ここでしか見られない対決などファンにとっては特別感があります。
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)
https://www.disney.co.jp/deluxe/blog/maximum-guide/avengers-endgame.html
MCUとは?
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とは、アメリカの漫画会社「マーベル・コミック」を原作とした一連のスーパーヒーロー作品を、同一の世界観で展開させる取り組み。
2008年の『アイアンマン』に始まり、アメコミ界をけん引してきたスーパーヒーローたちがスクリーン上で豪華共演をする壮大な企画は、映画界での一大ムーブメントを巻き起こしました。
シリーズの区切りである『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2009年公開の『アバター』を超えて、歴代興行収入1位を獲得しました。
MCUの作品リスト
2020年現在、作品数はなんと34作品(公開予定含む)。
フェーズ1(6作品)
- 『アイアンマン』(2008年)
- 『インクレディブル・ハルク』(2008年)
- 『アイアンマン2』(2010年)
- 『マイティ・ソー』(2011年)
- 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
- 『アベンジャーズ』(2012年)
フェーズ2(6作品)
- 『アイアンマン3』(2013年)
- 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)
- 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)
- 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
- 『アントマン』(2015年)
フェーズ3(11作品)
- 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)
- 『ドクター・ストレンジ』(2016年)
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年)
- 『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)
- 『ブラックパンサー』(2018年)
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)
- 『アントマン&ワスプ』(2018年)
- 『キャプテン・マーベル』(2019年)
- 『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)
- 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年)
フェーズ4(6作品)
- 『ブラック・ウィドウ』(2020年11月6日公開予定)
- 『The Eternals』(邦題未定・2021年2月12日全米公開予定)
- 『Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings』(邦題未定・2021年5月7日全米公開予定)
- 『Doctor Strange in the Multiverse of Madness』(邦題未定・2021年11月5日全米公開予定)
- 『スパイダーマン3』(仮称・公開日未定)
- 『Thor: Love and Thunder』(邦題未定・2022年2月18日全米公開予定)
フェーズ5(5作品)
- 『ブラック・パンサー2』(仮称・2022年5月6日全米公開予定)
- 『キャプテン・マーベル2』(仮称・2022年7月8日全米公開予定)
- 『ブレイド』(邦題未定・公開日未定)
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol3』(邦題未定・公開日未定)
- 『アントマン3』(邦題未定・公開日未定)
SPUMC(ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズ)
https://www.cinematoday.jp/page/A0006335
SUMCとは?
SPUMC(ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズ)は、「マーベル・コミック」のうちソニー・ピクチャーズが権利を保有するキャラクター(主に「スパイダーマン」関連)で展開されるシェアード・ワールド。
しばらく正式なユニバースの名称が発表されず、「スパイダーマン・バース」や「SUMC(ソニーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター)」などと呼ばれていた。
現在は「スパイダーマン」シリーズに登場するライバルキャラクターを中心に作品が展開されています。
今後、製作会社の垣根を越えてMCU製作の「スパイダーマン」とクロスオーバーするかどうかが注目されています。
SPUMC作品リスト
2020年現在、作品数は3作品(公開予定含む)。
- 『ヴェノム』(2018年)
- 『モービウス』(2021年3月公開予定)
- 『Venom: Let There Be Carnage』(2021年6月公開予定)
DCEU(DCエクステンデット・ユニバース)
https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/characters/justice-league.html
DCEUとは?
DCEU(DCエクステンデット・ユニバース)は、マーベル・コミックとアメコミ界の人気を二分するDCコミックのキャラクターたちを、同一の世界観の中に登場させるシェアード・ワールド。
3作目の『スーサイド・スクワッド』までの興行成績が振るわなかったが、4作目の『ワンダーウーマン』がヒットしたことで、シェアード・ワールドとしての関連性を重視せず、単体作品としてクオリティを挙げる方針でユニバース展開しています。
また、2019年に大ヒットしたバットマンの敵役を主役に添えた『ジョーカー』は、DCEUの世界観に含まれない単独作品として製作されました。
DCEU作品リスト
2020年現在、作品数は13作品(公開予定含む)。
- 『マン・オブ・スティール』(2013年)
- 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)
- 『スーサイド・スクワッド』(2016年)
- 『ワンダーウーマン』(2017年)
- 『ジャアスティス・リーグ』(2017年)
- 『アクアマン』(2018年)
- 『シャザム!』(2019年)
- 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年)
- 『ワンダーウーマン 1984』(2020年)
- 『The Batman』(邦題未定・2021年)
- 『The Suicide Squad』(邦題未定・2021年)
- 『Cyborg』(邦題未定・公開日未定)
- 『Green Lantern Corps』(邦題未定・公開日未定)
モンスター・バース
https://movie.walkerplus.com/news/article/193355/
モンスター・バースとは?
レジェンダリー・エンターテイメントと東宝が共同して製作するシェアード・ワールド。ゴジラやキングコングなど日米が誇る怪獣たちを主役に添えたシリーズです。
2014年の『GODZILLA ゴジラ』を皮切りに現在3作まで劇場公開されています。2020年には、ゴジラとキングコングの夢の対決が描かれる『ゴジラ VS キングコング』が予定されています。
モンスター・バース作品リスト
2020年現在の作品数は4作品。
- 『GODZILLA ゴジラ』(2014年)
- 『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)
- 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)
- 『ゴジラ VS キングコング』(2020年11月公開予定)
Wizarding World(魔法ワールド)
https://warnerbros.co.jp/franchise/wizardingworld/
Wizarding World(魔法ワールド)とは?
魔法ワールドとは、J・K・ローリングの原作『ハリー・ポッター』を中心に据えたシェアード・ワールド。映画シリーズに加えて舞台やゲーム、テーマパークのアトラクションまで幅広く展開されています。
映画シリーズとしては『マーベル・シネマティック・ユニバース』、『スター・ウォーズ』についで歴代三位の興行成績を誇っています。
シリーズの詳しい解説はこちら。
Wizarding World(魔法ワールド)作品リスト
2020年現在の主な作品は劇場公開13作品(予定含む)。
『ハリーポッター』シリーズ8作品
- 『ハリーポッターと賢者の石』(2001年)
- 『ハリーポッターと秘密の部屋』(2002年)
- 『ハリーポッターとアズカバンの囚人』(2004年)
- 『ハリーポッターと炎のゴブレット』(2005年)
- 『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』(2007年)
- 『ハリーポッターと謎のプリンス』(2009年)
- 『ハリーポッターと死の秘宝PART1』(2010年)
- 『ハリーポッターと死の秘宝PART2』(2011年)
『ファンタスティックビースト』シリーズ5作品
- 『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』(2016年)
- 『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)
- 『ファンタスティックビースト3』(仮称・2021年11月公開予定)
- 『ファンタスティックビースト4』(仮称・2022年公開予定)
- 『ファンタスティックビースト5』(仮称・2024年公開予定)
さらに、『ハリーポッター』シリーズの19年後の出来事を描く舞台『ハリーポッターと呪いの子』が2022年に日本で上演予定だったりと、スクリーンの外へも広がりを見せています。
死霊館ユニバース
https://warnerbros.co.jp/c/movies/shiryoukan-enfield/
死霊館ユニバースとは?
ソリッド・シチュエーション・スリラーの傑作『ソウ SAW』を生み出したジェームス・ワン監督が製作するホラー映画のシェアード・ワールド。
実在した超常現象研究家のウォーレン夫妻が遭遇した事件をモデルに、古典的な洋館ホラーを復興するシリーズ。
現在は、ウォーレン夫妻が登場する『死霊館』シリーズと、シリーズに関係する悪霊の背景を描く作品が展開されている。
シリーズの解説はこちら
死霊館ユニバース作品リスト
2020年現在の作品数は10作品(公開予定含む)
- 『死霊館』(2013年)
- 『アナベル 死霊館の人形』(2015年)
- 『死霊館 エンフィールド事件』(2016年)
- 『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)
- 『死霊館のシスター』(2018年)
- 『ラ・ヨローナ~泣く女~』(2019年)
- 『アナベル 死霊博物館』(2019年)
- 『死霊館3』(仮称・2020年公開予定)
- 『死霊館のシスター2』(仮称・公開日未定)
- 『The Crooked Man』(邦題未定・公開日未定)
ダーク・ユニバース
https://theriver.jp/dark-universe-failed/
ダーク・ユニバースとは?
ダーク・ユニバースとは、ユニバーサル・スタジオが製作した往年の名作モンスター映画をリブートして同一の世界観で活躍させようという企画。
第一弾は1933年『ミイラ再生』をトムクルーズ主演でリブートした『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』。さらに、『透明人間』、『フランケンシュタインの花嫁』のリブートを予定していました。
しかし、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が興行的に振るわなかったことで、シリーズ展開の計画は頓挫。『透明人間』はダーク・ユニバースとは切り離し、単独作品として製作されました。
だれもが知る有名モンスターたちを現代に蘇らせるという企画はワクワクするものなので、なんとか復活を願いたいですね。
ダーク・ユニバース作品リスト
2020年現在、作品数は1作品。
- 『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)
おわりに
今回は、映画界を席巻している映画ユニバースについて紹介しました。
取り上げたシリーズはこちらの7つ。
- MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)
- SUMC(ソニーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター)
- DCEU(DCエクステンデット・ユニバース)
- モンスター・バース
- Wizarding World(魔法ワールド)
- 死霊館ユニバース
- ダーク・ユニバース
今後もさらなるユニバーズの拡張が期待されますね。楽しみに待ちたいと思います。
それでは、また次の作品でお会いしましょう。