今回はNetflixオリジナルドラマ『アンブレラ・アカデミー』シーズン1の感想です。
アメリカの2019年Netflixドラマ部門でTOP3に入る大人気作。
待望のシーズン2の公開日が2020年7月31日に決まり、続編の公開前にシーズン1全10話をおさらいしてみましょう。
それでは、いきましょう。
Contents
あらすじ
1989年10月1日午後12時、世界中で、妊娠していなかったはずの43人の女性が一斉に出産したという異常事態が発生。
奇人で大金持ちの冒険家レジナルド・ハーグリーブス卿は、そのうちの7人を自分の養子として迎えます。ハーグリーブス卿は「アンブレラ・アカデミー」を設立して彼ら7人の子供たちに教育を施しています。
彼らは兄弟として育てられ、常人とは異なる特殊能力を開花させてスーパーヒーローとして活躍していきますが、やがて家族はバラバラに。
17年後…アンブレラ・アカデミーは解散状態となり、成長して大人になりそれぞれの生活を送っていました。ハーグリーブス卿の訃報が…。
父親の死をきっかけに再びアカデミーに集まった兄弟たち。そこに長らく行方不明だったナンバーファイブが時空の裂け目から子供の頃の姿で現れます。
不可解な父親の死、世界滅亡の危機。
バラバラだった兄弟たちはこの困難にどう立ち向かっていくのか。
『アンブレラ・アカデミー』って?
#アンブレラアカデミー☂️の5号(@AidanRGallagher)からのメッセージが到着⚡#ネトフリ
— Netflix Japan (@NetflixJP) March 1, 2019
☂️5号(ナンバーファイブ)とは?
◆職業:不明
◆精神年齢:58歳
◆能力:空間&時空の移動(※未来に飛んで45年間戻れなくなったことあり⚠️)
◆好物:ピーナッツバター&マシュマロのサンドイッチ、コーヒー☕️ pic.twitter.com/5CscjECxpQ
アメコミの二大巨頭と言えば、「MARVELコミック」と「DCコミック」。本作Netflixドラマ『アンブレラ・アカデミー』は、そのどちらでもない三番手のレーベル「ダークホース・コミック」の同名作品が原作となっています。。
原作を手掛けたのは日本でも大人気だったロックバンド「マイ・ケミカル・ロマンス」のボーカル「ジェラルド・ウェイ」。作画は、コミック作家のガブリエル・バー。
翻訳版が手に入るので、ドラマ版と見比べてみるのもいいですね。
ジェラルド・ウェイはドラマ版の製作総指揮にも名を連ねていて、楽曲の提供も行っています。
『アンブレラ・アカデミー』キャスト
ルーサー/ナンバーワン:トム・ホッパー
アンブレラ・アカデミーのメンバーでリーダー的な存在。能力はゴリラ並みの超怪力。
家を離れた兄弟たちと違って今もアカデミーに住み続けている。アカデミー以外の生活を知らず、数年のあいだ月面でミッションを行っていたせいか、見た目のしっかり感に反して常識知らずだったりする。結構気弱。
ディエゴ/ナンバーツー:デイヴィッド・カスタニェーダ
次男坊。自分が投げたモノの軌道を自由に操れる能力を持つ。常に投げナイフを携帯している。
性格は直情的で短絡的。アカデミーを出たあとも自警団の真似事を続けていて、街の刑事からは迷惑に思われている。
あと結構なマザコン体質。
アリソン/ナンバースリー:エミー・レイヴァー・ランプマン
言葉によって相手を操ることが出来る能力を持つ。
アカデミーを出たあと、女優として成功し結構な人気者になっているが、どうやら自分の特殊能力を活用して登り詰めたっぽく、結構エグイ性格である。
家族と疎遠なヴァーニャを妹のように心配する素振りをするが、能力なしへの無意識の偏見も見え隠れして中々人間臭い人物。
アカデミーのメンバーの中で唯一の子持ち。
クラウス/ナンバーフォー:ロバート・シーハン
死者と対話出来る能力を持つ。
幼少期から自分の能力が恐ろしく、しかもそれをハーグリーブス卿に無理やり訓練させられたせいでトラウマに。自分の能力から逃れるためにドラック漬けの日々を送っている。
亡くなった兄弟ナンバーシックスことベンが常に隣にいるが、家族にはそのことは秘密にしている。
ナンバーファイブ:エイダン・ギャラガー
空間移動と時間移動の能力を持つ。かなりの強能力持ち。
幼いころの能力の使い過ぎで、家族と離れ離れに。なんとか現代の家族のもとに戻るも、能力の暴発で見た目は子ども、中身は58歳という超コナン状態に。
世界滅亡の危機を救うために奮闘するのだが、突拍子もない内容に本人の冷徹すぎる言動のせいで、家族の協力が全然得られない。
ベン/ナンバーシックス:ジャスティン・H・ミン
お腹からタコの触手のようなものを出す能力。
物語の開始時点で既に故人。彼の死がアカデミー解散のきっかけっぽい?
現在はゴーストとしてクラウスとだけコミュニケーション可能。常に自暴自棄で適当な言動ばかりのクラウスに小言を言う係みたいになっている。
ヴァーニャ/ナンバーセブン:エレン・ペイジ
アカデミーの末っ子。メンバーで唯一の能力なし。
現在はアカデミーを離れて音楽団でヴァイオリニストとして働いている。
唯一能力がなかったせいか、子どものころから他の兄弟とは距離を取りがち。長年の劣等感から自信を持てない性格になってしまった。
アカデミーを去ったあとに「アンブレラ・アカデミー」の暴露本を出版して小銭を手に入れるも、余計に家族とは距離が出来てしまう。(そりゃ、そうだ。)
アンブレラ・アカデミー関係者
ハーグリーブス卿
大富豪で冒険家。7人の赤子を養子に迎えて『アンブレラ・アカデミー』を設立した本人。彼の死をきっかけにバラバラだった兄弟たちが、一同に会することになる。
白髪にモノクル、杖。常に不機嫌そうに眉をひそめて、子供たちの能力向上のためら手段を選ばない。
シーズン1ではまだまだ正体は明らかになっていないと思われる。
ポゴ
人間なみの知能をもったチンパンジー。
ハーグリーブス卿の執事のようなポジションで屋敷の世話をしている。兄弟たちが去っていった屋敷でいまも生活している。
グレース
アカデミーの家政婦アンドロイド。兄弟が子どものころからずっと世話をしているので、みんなが母親のように慕っている。
とくにディエゴはかなりのマザコンっぷり。
その他の登場人物
チャチャ
ナンバーファイブの命を狙う組織の殺し屋。長身の黒人。
仕事でミスをするとひどい目に合うらしく、何かと必死。
ヘーゼル
チャチャと同じく、組織の殺し屋。大柄で太っちょ。
チャチャとはうってかわって命令を受けて淡々と仕事をこなすのに飽き飽きしてきている様子。
いきつけのドーナツ屋の店長のことが気になっている。
『アンブレラ・アカデミー』シーズン1感想・解説
結論から言うと、かなり独特の雰囲気があって楽しめました。
時間旅行の概念と、ヒーローとして育てられた兄弟の不和と再生をテーマにしていところが、他のアメコミ作品と一線を画していてオリジナルのポジションにいるな、と。
きっかけは養父の死から…家族の再会・ナンバーファイブの帰還
物語のキッカケは、ハーグリーブス卿の訃報から。養父の葬式のために、疎遠になっていた兄弟たちがアカデミーで再会する所から物語は始まります。
家族が再会しても、長年のわだかまりのせいで、なんかギクシャク。
そこに突然、子どもの頃に行方不明になったナンバーファイブが、時空の裂け目から当時の姿のままで現れます。
そして、自分は未来に行っていて、今日から8日後に世界が滅亡すると打ち明ける。
全然家族を信用していないナンバーファイブは独自に調査を開始することに。
中盤は各メンバーの事情もからんで複雑に
中盤からは、各メンバーの事情が代わる代わる登場して、結構複雑に。
なぜ、ナンバーワンは月でミッションを行っていたのか、ナンバーファイブが未来で何をして過ごしていたのか、家族の不和のキッカケなど。
さらには、ナンバーファイブが世界滅亡を回避しようと動いていて、その歴史改変を阻止しようとする組織「コミッション」から殺し屋が登場します。
各人の思惑が入り乱れて中々こんがらがっていきます。
ここらへのプロットの整理はちょっと甘いような感じもしましたね。回ごとに、メインキャラクターを置く形とか良かったかも。
ヴァーニャの秘密が発覚
終盤、ヴァーニャが”能力なし”あったことの秘密が明らかになります。
実はヴァーニャも能力が発現していたのですが、あまりに強大な能力を彼女が制御出来ていないことを知ったハーグリーブス卿が、アリソンの言葉でひとを操る能力を使わせ、ヴァーニャの能力とそれにまつわる記憶を封印させていたのでした。
とあるきっかけで記憶を取り戻したヴァーニャは、混乱して能力が暴発。アリソンに瀕死の重傷を負わせてしまいます。
世界崩壊の危機は回避できたかに見えたが…
シーズン1の世界滅亡の要因になっていたのは、ヴァーニャの能力の暴走でした。ラスト、暴走したヴァーニャが放ったエネルギーが見事に月に直撃!月から巨大隕石が地球に衝突することで世界は滅亡してしまうということが判明します。
過去のわだかまりが凄いので、仕方ない部分のあるんですが、「お前たち、ちっとは落ち着いて話し合えんのか!」とツッコミたくなります。もう少しヴァーニャの悩みとか孤独を分かち合うことが出来ていればこんなことにはならなかっただろうと。
でも、このなんとも上手くいかない感じが、リアルな家族や仲間だったりするよなと、彼らが愛しく思えてくるから不思議。特殊な生い立ちや能力を持っていても、結局は人間なんだと。
ただ、ハーグリーブス卿には、「能力向上も大事だけど、情操教育もしっかりといた方がいいですよ」と強く言いたい。まあでも、あんたも人の気持ちわからないタイプっぽいもんなぁ、難しいか。
シーズン2の展開は?
シーズン1のラスト、7人はナンバーファイブの能力によって、隕石の衝突を間一髪のところで回避。
飛んだ先は1963年。この時代でも滅亡の危機が発生している様子。しかもそれに関係するがケネディ暗殺!
委員会との対立がより激しくなって、バトルシーンの増加が期待出来そう。
予告編のラストでは、若かりし頃のハーグリーブス卿らしき人物まで登場して、どう盛り上がっていくのか!
おわりに
今回は、『アンブレラ・アカデミー』シーズン1の感想を紹介しました。
Netflixドラマはほんとに数が多いだけに、玉石混交なんですが、本作はアクション・能力の見せ方・ドラマ性も十分の良作。
ヒーローであり家族である彼らの群像劇がもどかしくも楽しい作品でした。
7月31日から配信が開始されたシーズン2にも期待が高まりますね。
それでは、次の作品でお会いしましょう。
『アンブレラ・アカデミー』原作本も要チェック!