どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
J・K・ローリングのファンタジー小説『ハリーポッター』。そして、それらを原作としてワーナー・ブラザーズが映像化した映画シリーズ。
いずれも記録的な大ヒットをして世界中で愛されています。どっちが良いのか甲乙付けがたいほどの素晴らしい出来。
小説の壮大な物語を全て映画化するのはとても困難。実は、映画化に当たって原作の物語から変更・省略されたエピソードがいくつかあります。
その中で今回は、シリーズ三作目の『ハリーポッターとアズカバンの囚人』の原作版と映画版の違いについて解説していきます。前作『ハリーポッターと秘密の部屋』編はこちら
それでは、いきましょう。
Contents
ハリーに『怪物的な怪物の本』を送った人物が違う
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
「怪物的な怪物の本」と言えば、三年時の魔法生物学の授業で指定された教科書。アズカバンの囚人のときに魔法生物学の授業を担当することになったハグリッドが指定していました。
文字通り怪物のような見た目・鋭い牙を持ち、正しい扱い方をしないと持ち主に噛みついてくるという取り扱い注意な本。
新学期の教科書一式としてハリーに送られましたが、原作と映画では送った人物が違いました。
映画版では、夜の騎士バスに乗って到着した漏れ鍋で魔法省大臣のコーネリウス・ファッジから貰いましたが、原作ではハリーの誕生日プレゼントとしてハグリッドが送ってくれました。
どちらでもはじめハリーは扱い方を間違えて本に噛みつかれそうになっています。
- 原作:ハグリッド
- 映画:ファッジ魔法省大臣
ピーター・ペティグリューの失った指が違う
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
ハリーの父親ジェームズやシリウス・ルーピンと学生時代の悪友のひとり。
”ハリーの両親を売ったシリウスによって殺害された。”と思われていたが、実は裏切り者だったのはピーターの方で、シリウスは嵌められたということが物語の後半で判明します。
彼は自分の死を偽装するために、自分の指を切り落とすという大胆な行動をしました。
映画版と原作ではその切り落した指が異なっています。
映画版では、ピーターが左手を挙げた際に薬指がないことが確認出来ます。
一方原作では、中指で指差しをしている描写からピーターが失ったのは人差し指であることがわかります。
ピーターは死を偽装するために自ら指を切断したので、人差し指よりも薬指の方がやりやすかった=自然だったという理由で改変されたのでしょう。人差し指を切断していてはその後に杖を握るのも困難でしょうしね。
- 原作:人差し指
- 映画:薬指
ジェームズたち四人とスネイプ先生が同級生であることが触れられない
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューの4人とスネイプ先生はホグワーツの学生時代に同級生でした。
原作では、ルーピン先生がハリーに対して5人が同級生であることを告げています。
しかし、映画版では語られませんでした。
なので、映画でアズカバンの囚人まで見ていた人にとっては、スネイプ先生とシリウスたちが随分と気安く言葉を交わしていたのが不思議に見えたひともいたかもしれませんね。
- 原作:同級生であることが語られる
- 映画:触れられない
スネイプ先生の強烈な恨み節が省略
(C)2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
さらに、学生時代の因縁が影響したシーンも映画版では、カットになっていました。
逆転時計を使ったハリーとハーマイオニーの大活躍によって、シリウスとバックビークは無事に処刑を免れ、逃げることに成功しました。
映画版では、ダンブルドア校長に成功を告げるだけで終わりましたが、原作ではその後にスネイプ先生の強烈な恨み節が続くシーンがありました。
シリウスが魔法で”姿くらまし”出来ないはずのホグワーツから逃げ出したのはハリーが手を貸したに違いないと吠え、ハリーやハーマイオニーを指さして喚き、口から泡を飛ばすほどに叫んでいました。
一緒にいたダンブルドアやファッジになだめられる始末。
スネイプとシリウスの因縁は深く、スネイプにとっては積年の恨みを晴らすチャンスを失ったようなもの。狼狽するのも仕方ないかもしれません。
しかし秘密が漏れるとシリウスに危険が及ぶとは言え、真実を明かされなかったスネイプが少し可哀相になる場面でした。
- 原作:スネイプ先生がハリーたちに詰め寄り抗議する
- 映画:スネイプ先生のシーンは省略
ホグズミード村の叫びの屋敷の由来
https://warnerbros.co.jp/franchise/wizardingworld/special/locations/shrieking-shack.html
魔法使いだけの村・ホグズミードには有名な心霊スポットである叫びの屋敷があります。
映画版では、詳細に語られませんでしたが、原作ではなぜ”叫びの屋敷”と呼ばれるようになったのかの由来が語られています。
学生時代、月に一度狼人間になってしまうルーピンの為に、人目につかない場所を用意してやる必要がありました。
そこでダンブルドアはルーピンのために村の外れに屋敷を建て、そこへ通じる隠し通路の上に”暴れ柳”を植えて、人を遠ざけました。屋敷の中でルーピンは月に一度の狼人間状態を上手くしのいでいたのです。
しかし、狼人間になったルーピンの遠吠えや叫びを聞いた住人が、幽霊が住む屋敷とウワサするようになりました。
”叫びの屋敷”にはこのような切ない由来がありました。
- 原作:”叫びの屋敷”の由来が明かされる
- 映画:語られない
ファイアボルトが送られるタイミングが違う
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
ファイアボルトは当時世界最高の箒と言われ、クィディッチのプロチームも使用するほどの最高級品の箒。
試合中、ハリーは吸魂鬼に襲われて愛用していたニンバス2000を折ってしまいました。それを知ったシリウスがハリーのためにファイアボルトをプレゼントしてくれたのです。
映画版では、ハリーがプレゼントされた箒で気持ちよさそうに空を飛ぶシーンで物語が終わりました。送り主もシリウスと分かるように一緒に逃げたバックビークの羽を添えて。
しかし、原作ではファイアボルトをプレゼントされるタイミングが異なりました。
物語のラストではなく、中盤に謎の人物から贈られたということになっていました。そのせいでちょっとした騒動に発展してしまいます。
なんと送り主不明の怪しい品ということでマクゴナガル先生に没収されてしまったのです。さらには先生に告げ口したハーマイオニーと、ロンが喧嘩を始めるという困った展開に。
映画版に比べて原作はかなり面倒な事態になってしまっていました。
さらに補足として、”指名手配犯のシリウスがどうやってファイアボルトを買えたのか?”について解説すると、
動物もどきであったシリウスは犬に変身して、動物と交流することが出来ました。そこでハーマイオニーの飼い猫クルックシャンクスに目を付けて、接触を図ります。賢いクルックシャンクスはシリウスの説明を理解して願いを聞くことに。
なんとクルックシャンクスに金貨を持たせて箒を買いに行かせたというのです。箒を買いに来る猫なんて、魔法界でも珍しい光景だったでしょうね。
- 原作:物語の中盤。没収騒ぎに発展
- 映画:物語のラスト。ハリーの箒乗り姿で完結
エクスペクト・パトローナムを唱えるのに思い浮かべたことが違う
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
守護霊を呼び出す呪文”エクスペクト・パトローナム”を成功させるコツは、自身の楽しい思い出で心を満たすこと。
ルーピン先生との訓練中にハリーが思い浮かべた事が映画版と原作では違っていました。
映画版では、最初は”初めて箒に乗った瞬間”を浮かべて上手くいかず、”父と母の顔”を思い浮かべて呪文に成功しました。
一方原作では、”初めて箒に乗った瞬間”、”グリフィンドール寮が優勝したとき”と思い浮かべても上手くいかず、”自分が魔法使いと知ってホグワーツへ行くとわかった時”を思い浮かべて呪文を成功させました。
“ホグワーツが自分の本当の家だ”と言ってのけるハリーらしいですね。
- 原作:”初めて箒に乗った瞬間”、”グリフィンドール寮が優勝したとき”、”自分が魔法使いと知ってホグワーツへ行くとわかった時”
- 映画:”初めて箒に乗った瞬間”、”父と母の顔”
逆転時計を使ったときのハーマイオニーの活躍が増えている
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
われらが自慢の秀才・ハーマイオニー・グレンジャー。
本作では、逆転時計を使用してシリウスとバックビークを救うという大活躍を見せてくれました。
どきどきの逆転時計のシーンですが、実は映画版でいくつか描写が追加になっていました。
追加になったのは、まずハグリッドの小屋でもう一人の自分たちにダンブルドア校長たちの接近を知らせるため、窓から小石を投げ込みミルク瓶を割ったシーン。
さらには中々動いてくれないバックビークを連れだすのに餌のイタチで注意を引いたのも映画オリジナルの描写です。
そのあと狼人間に変身したルーピン先生がもうひとりの自分たちを襲おうとしているところを森からの遠吠えで気をそらせました。こちらも映画ならではの展開です。
全体的に映画版の方がハーマイオニーが状況に合わせて機転を利かせている感じに仕上がっていますね。
- 原作:ハーマイオニーの活躍は映画より少ない
- 映画:ハーマイオニーの活躍が追加されている
ハリーが忍びの地図で”ピーター・ペティグリューの名前を見つける”
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
ハリーがフレッド&ジョージから譲り受けた”忍びの地図”。
この地図は、ホグワーツ中の人物が名前付きでどこにいるのか表示されるという優れもの。
真夜中、ハリーが地図を眺めているとそこには存在しないはずの名前が表示されています。それは、ピーター・ペティグリューの名前。
彼は13年前にシリウスによって指ひとつ残して吹き飛ばされたはず。気になってハリーは名前が表示されているところへ向かうが…
結局見つからず、居合わせたスネイプ先生に怒られ、忍びの地図はルーピン先生に没収されてしまいました。名前の人物が見つからなかったのは、それがネズミのスキャバーズに変身したピーターだったから。
実はこのシーン、映画オリジナルのシーンだったんです。物語の重要な伏線であり、緊迫感のある印象的なシーンですが、映画オリジナルとは驚きですね。
原作ではスキャバーズ=ピーター・ペティグリューであることを匂わせる別の伏線が張られていました。
ダイアゴン横丁で新学期の準備をしているとき、体調のわるそうなスキャバーズをハリー・ロン・ハーマイオニーの三人はペットショップに連れて行きます。そこで、”スキャバーズの前脚の指が一本欠けていること”、”ネズミにしては随分と長生きであること”が示されます。
原作の方が冒頭のシーンなので、初めてはなんとなく読み飛ばしてしまう人も多かったでしょうね。
- 原作:スキャバーズ=ピーターのヒントは魔法生物ショップで出される
- 映画:ハリーが忍びの地図でピーター・ペティグリューの名前を発見する
まとめ
今回は『ハリーポッターとアズカバンの囚人』における原作と映画の違いについて紹介しました。
- ハリーに『怪物的な怪物の本』を送った人物が違う
- ピーター・ペティグリューの失った指が違う
- ジェームズたち四人とスネイプ先生が同級生であることが触れられない
- スネイプ先生の強烈な恨み節が省略
- ホグズミード村の叫びの屋敷の由来
- ファイアボルトが送られるタイミングが違う
- エクスペクト・パトローナムを唱えるのに思い浮かべたことが違う
- 逆転時計を使ったときのハーマイオニーの活躍が増えている
- ハリーが忍びの地図で”ピーター・ペティグリューの名前を見つける”
アナタはいくつご存じでしたか?
アナタも魔法の世界に飛び込もう!