どうも、こんにちは。
はりー(@hcinemadowntown)です。
J・K・ローリングのファンタジー小説『ハリーポッター』。そして、それらを原作としてワーナー・ブラザーズが映像化した映画シリーズ。
いずれも記録的な大ヒットをして世界中で愛されています。どっちが良いのか甲乙付けがたいほどの素晴らしい出来。
小説の壮大な物語を全て映画化するのはとても困難。実は、映画化に当たって原作の物語から変更・省略されたエピソードがいくつかあります。
その中で今回は、シリーズ一作目の『ハリーポッターと賢者の石』の原作版と映画版の違いについて解説していきます。
それでは、いきましょう。
Contents
ドラコ・マルフォイの初登場シーンが違う
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
原作の小説と映画では、ドラコ・マルフォイの初登場シーンが異なります。
- 原作:ホグワーツ特急の中で
- 映画:組み分けの儀式の直前、大広間に入るところで
ホグワーツ特急の列車の中では何人もハリーのところに訪ねてくるので、間延びしないようにマルフォイの登場シーンをずらしたのでしょう。
立ち入り禁止の廊下の場所が違う【ダンブルドア校長のセリフ】
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
新入生歓迎パーティにて、ダンブルドア校長が学校内の説明をしてくれた際のセリフで原作と映画で異なる部分があります。
それは、”立ち入り禁止の廊下の場所”。賢者の石が隠された部屋が存在するところです。
- 原作:立ち入り禁止の廊下の場所は4階
- 映画:立ち入り禁止の廊下の場所は3階
なぜこのような違いが起こったかというと、それはイギリス英語特有の表現に原因がありました。
イギリス英語では1階のことをグランドフロア(ground floor)、ひとつ上がった二階をファーストフロア(first floor)と呼びます。
劇中のダンブルドア校長はサードフロア(third floor)と発言しています。これはイギリスでは1階:グランドフロアから3つ上がったという意味で4階を指すのですが、翻訳者が文字通りに訳してしまったために、日本語版では3階にあるということになってしまいました。
ピーブスが登場しない
魔法ワールド
イタズラ好きのポルターガイストのピーブス。
原作の愛読者にはお馴染みのキャラクターですが、映画のみのファンの方には初耳のキャラクターでしょう。
- 原作:ピーブスが登場する
- 映画:ピーブスが登場しない
いつも城のどこかで大声をあげたり、ものをひっくり返したりと大騒ぎして、生徒が困る顔をみるのが大好きな厄介者。
原作ではたびたび登場し、お話を盛り上げてくれるキャラクターですが、物語のキーとなるエピソードには絡んでこないので、登場させてもらえなかったのでしょう。
基本的に誰の言うことも聞かないヤツですが、同じくイタズラ好きのフレッドとジョージとは気持ちが通じる瞬間もありました。
「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」にて、フレッドとジョージがアンブリッジ教授にド派手なイタズラを仕掛けて、ホグワーツを中退する際に、ふたりに向かってピーブスが会釈をしたのは原作の名場面のひとつです。映画版で見られないのが残念。
ハーマイオニーは出っ歯だった
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
登場人物の容姿については、様々な事情で変更になったものがあります。
そのなかでもインパクトが大きいのが、ハーマイオニーの出っ歯。原作ではハーマイオニーは明確に”出っ歯”であると書かれています。
「ハリーポッターと炎のゴブレット」にて、マルフォイにかけられた歯呪いを治療する際に出っ歯をついでに直すまで、彼女のコンプレックスのひとつでした。
- 原作:ハーマイオニーは出っ歯(炎のゴブレット以降は普通になる)
- 映画:ハーマイオニーは出っ歯ではない
実際、映画版の撮影当初はつけ歯をして原作のビジュアルを再現しようとしていたそうです。
しかし、つけ歯をしてセリフを言うことが困難だったので、撮影開始直後につけ歯をやめてしまったそうです。
でも、ハーマイオニーの初登場シーンであるホグワーツ特急のシーンでは、つけ歯をしたときに撮影した映像をそのまま使用しているので、よく観察すると前歯が少し大きめなことが確認できます。
未成年なのに学校のそとで魔法を使っている
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
魔法界では魔法省が定めた法律によって未成年の魔法使いは学校以外での魔法の使用は禁止されています。
しかし、映画版では何度か未成年が魔法を使ってしまっている場面があります。
真っ先に登場するのがホグワーツ特急でのシーン。ハリーのヒビの入ってしまっためがねを。ハーマイオニーが呪文”オキュラス レパロ”を唱えて直してくれます。
映画の中で最初に呪文を唱えた貴重な場面なのですが、実は法律違反。
学校へ向かう列車の中といえど、まだ学校の外です。魔法省からお叱りをうけても文句は言えません。
- 原作:列車内で呪文を使用しない
- 映画:列車内で呪文を使用している
きっと盛り上がる場面をつくるためにハーマイオニーに呪文を唱えてもらったのでしょう。
フラッフィー対面シーンにネビルもいた
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
フラッフィーと言えば、立ち入り禁止の廊下にある部屋で、賢者の石を狙う侵入者を追い返す三つ首の番犬。
偶然迷い込んだハリー・ロン・ハーマイオニーがフラッフィーと対面して大声で叫ぶシーンは「ハリーポッターと賢者の石」でも印象的なシーンのひとつ。
実は原作と映画版では少し状況が異なりました。
映画版では、三人が動く階段によって偶然部屋に迷い込みました。
一方原作では、三人に加えてネビルも一緒でした。
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
ある日、マルフォイに真夜中の決闘を申し込まれたハリーたちは夜中に寮を抜け出します。そこに居合わせたネビルも加わり、4人でマルフォイの所へ向かう途中、管理人のフィルチに見つかりそうに!
夜中に抜け出したことがバレると大減点を食らってしまいます。4人は慌てて隠れられる場所を探しました。
そこが、フラッフィーのいる部屋だったのです。
原作通りの展開なら4人の可愛い叫び声が聞けたかも知れませんね。
- 原作:ハリー・ロン・ハーマイオニーに加えてネビルもいた
- 映画:ハリー・ロン・ハーマイオニーの3人だけ
実はシリウス・ブラックの名前が登場する
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.
ハリーの名付け親であり、父親ジェームズの親友でもあるシリウス・ブラック。
映画シリーズの初登場は第三作『ハリーポッターとアズカバンの囚人』ですが、原作小説では「賢者の石」の冒頭から名前が登場していました。
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お話のはじまりは幼子のハリーをダーズリー家に預けるところからスタートします。ヴォルデモート卿の襲撃を退けたあと、赤子のハリーをハグリッドが空飛ぶバイクに乗って救い出します。
プリベット通りでダンブルドア校長と合流したハグリッド。空飛ぶバイクの持ち主を訪ねられ、「シリウスの持ち物だ」と答えています。ハグリッドがよく箒替わりに乗っていた空飛ぶバイクはシリウスから借りているものでした。
シリーズでも重要な役割のシリウスが実は一巻の冒頭で名前のみ登場していたというのは、原作小説を読んでいる方でも忘れているひともいるのでは?
- 原作:シリウス・ブラックの名前が登場する(ハグリッドとダンブルドアの会話)
- 映画:登場しない
ハリーの両親(リリー・ジェームズ)の年齢が違う
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
ハリーの両親ジェームズとリリーは、原作小説ではともに21歳のころに幼いハリーを残してヴォルデモート卿に殺されてしまいます。
なので、みぞの鏡でハリーが見る両親の姿も生前の若い頃のままです。
しかし、映画版では、起用した俳優の容姿とイメージを合わせるためにジェームズとリリーの年齢設定を10歳程度引き上げています。なので、映画版ではふたりは30代で亡くなったことになっています。
(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter Publishing Rights (c) J.K.R.
この年齢設定の変更にともなって、ジェームズとリリーの同級生である、スネイプ先生やシリウス・ブラック、リーマス・ルーピンなども同じく年齢設定が引き上げられました。作中の登場時点ではみんな40代。
このおかげでアラン・リックマン演じる渋いスネイプ先生や、ゲイリー・オールドマンのシリウスに出会うことが出来たわけですね。
- 原作:ジェームズとリリーの死亡時の年齢は21歳
- 映画:ジェームズとリリーの死亡時の年齢は30代(約10歳の引き上げ)
賢者の石を守る試練の数が違う(スネイプ先生の魔法薬の試練カット)
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
”賢者の石”はホグワーツの教授陣が仕掛けた魔法の試練によって厳重に守られていました。
原作小説と映画版では、その試練の数が異なります。
- 原作:賢者の石を守る試練:4つ
- 映画:賢者の石を守る試練:3つ
原作小説の試練の数は4つ。
- スプラウト先生の悪魔の罠⇒全員で。
- フリントフリック先生の空飛ぶ鍵⇒ハリー
- スネイプ先生の魔法薬の瓶⇒ハーマイオニー
- マクゴナガル先生の魔法のチェス⇒ロン
ハリー・ロン・ハーマイオニーはそれぞれの得意分野を生かして試練を突破しました。
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
しかし、映画版では試練の数が4つから3つに変更になっています。
- スプラウト先生の悪魔の罠⇒ハーマイオニーに変更
- フリントフリック先生の空飛ぶ鍵⇒ハリー
- マクゴナガル先生の魔法のチェス⇒ロン
原作小説では全員で協力して突破していた”悪魔の罠”をハーマイオニーの活躍によって突破したことに変更されています。
スネイプ先生の魔法薬の瓶の試練は、論理パズルのようなもので、魔法使いでなくてもクリアできるし、画的に地味にならざるを得ないので省略されてしまったのでしょう。
ハリーの瞳の色が緑色から青色に変更
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
我らが主人公ハリーポッターは、母親リリーと同じ緑色の瞳をしていると言われています。
しかし、映画版では、瞳の色が青色に変更されています。
- 原作:ハリーポッターの瞳の色は緑色
- 映画:ハリーポッターの瞳の色は青色
なぜ、このような違いが起こったのでしょうか。
実際、映画版でも当初は緑色の瞳を再現しようと試みています。主演のダニエル・ラドクリフに緑色のカラコンを付けて再現しようとしたのでした。
しかし、ダニエル・ラドクリフがカラコンによって眼が炎症を起こしてしまい、あえなく断念。結局はダニエル・ラドクリフの元々の瞳の色である青色に設定が変更になりました。
TM & (C) 2001 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
ここで、問題になるのが”母親リリーと同じ瞳をしている”という設定。
映画版でリリー・ポッターを演じた女優の瞳の色は茶色。そして、ハリーの瞳は青色。
冷静に考えると、”同じ瞳をしている”というのは無理があるかもしれません。
まとめ
今回は『ハリーポッターと賢者の石』の原作小説と映画版の違いについて紹介しました。
- ドラコ・マルフォイの初登場シーンが違う
- 立ち入り禁止の廊下の場所が違う
- ピーブスが登場しない
- ハーマイオニーは出っ歯だった
- 未成年なのに学校のそとで魔法を使っている
- フラッフィー対面シーンにネビルもいた
- 実はシリウス・ブラックの名前が登場する
- ハリーの両親(リリー・ジェームズ)の年齢が違う
- 賢者の石を守る試練の数が違う
- ハリーの瞳の色が緑色から青色に変更
アナタはいくつご存じでしたか?
アナタも魔法の世界に飛び込もう!